【ポルトガル菓子】エッグタルト　特徴＆おすすめ店舗

① エッグタルトとは

エッグタルト（Pastel de Nata）は、ポルトガル発祥の伝統的な菓子で、甘くてクリーミーな味わいが特徴です。通常、クリスピーでフレーク状のパイ生地で作られ、中にはエッグクリームがたっぷりと詰められています。焼くことで表面がキャラメル色に焼け、甘く香ばしい風味が広がります。一般的に、温かい状態で食べるのが最も美味しいとされています。

ポルトガル全土で愛されるこの菓子は、朝食や休憩時に食べられることが多く、その歴史とともに今でも多くの人々に親しまれています。

② 歴史的背景

エッグタルトの起源は、18世紀のリスボンにまでさかのぼります。当時、ポルトガルでは修道院で大量の卵白が使われ、卵黄を余すことが多かったため、修道院の料理人たちは創意工夫を凝らしてエッグタルトを開発しました。特にベレン地区のジェロニモス修道院で有名で、ここがエッグタルトの名所として知られるようになりました。

エッグタルトのレシピは長い間、修道院内部の秘密として厳重に守られてきましたが、19世紀になると一部の修道院が閉鎖され、その秘密は外に広まり始めました。20世紀に入り、ポルトガル全土で普及し、今や国民的なデザートとして定着しています。

③ 作り方

エッグタルトの作り方は比較的シンプルでありながら、その美味しさは特別です。以下に一般的なレシピを示します。

材料:

• パイ生地（市販のものを使用するか、自家製）
• 卵黄
• 砂糖
• 牛乳または生クリーム
• 小麦粉
• バニラエッセンスまたはバニラビーンズ
• シナモン（オプション）

手順:

1. パイ生地を薄く伸ばし、小さなカップ型に敷き詰める。カップ型がない場合はマフィン型でも代用可能です。
2. 卵黄、砂糖、牛乳または生クリーム、小麦粉を混ぜ合わせ、滑らかなクリーム状になるまでよく混ぜます。バニラエッセンスまたはバニラビーンズから抽出したシードを加え、さらに混ぜます。
3. 生地にクリームを流し込み、オーブンで高温（約230度）で焼きます。焼くことでクリームがキャラメル色になり、パイ生地がクリスピーに焼けます。
4. 焼き上がったら、少し冷ましてから取り出し、お好みでシナモンを振りかけて完成です。

④ 地域ごとの違い

ポルトガル全土でエッグタルトは愛されていますが、特にリスボンとベレン地区がその発祥地として知られています。各地のエッグタルトには微妙な違いがあり、それぞれの地域で独自の特徴が見られます。

リスボンのエッグタルト: リスボンのエッグタルトは、パイ生地がサクサクとしており、中のエッグクリームは甘く濃厚です。通常、シナモンや粉砂糖を振りかけて提供されることが多いです。

ベレンのエッグタルト: ベレン地区のエッグタルトは、ジェロニモス修道院の近くで有名です。このエリアでは、エッグクリームのトッピングにシナモンの代わりに粉糖が使われることがあります。また、ベレンでは修道院の伝統的なレシピに基づいて製造されることが多いです。

その他の地域では、エッグタルトの作り方や提供スタイルに微妙な違いが見られますが、どこでも共通しているのはそのクリーミーで甘い味わいです。

⑤ おすすめの店舗

ポルトガルで美味しいエッグタルトを楽しめるおすすめの店舗をいくつかご紹介します。

1. パステイス・デ・ベレン (Pasteis de Belém) – ベレン地区、特にジェロニモス修道院の近くに位置するこの店舗は、エッグタルトの名所として有名です。修道院の伝統的なレシピに基づいたエッグタルトが味わえます。
2. ミニョン (Manteigaria) – リスボンの中心部にあるこの店舗は、サクサクとしたパイ生地と濃厚なエッグクリームが特徴のエッグタルトを提供しています。焼きたてを食べられることでも人気です。
3. カサ・パストラ (Casa Pastéis de Paço de Arcos) – リスボン郊外のパコ・デ・アルコスに位置するこの店舗も地元で評判です。伝統的なポルトガル菓子の一つとして、ここでのエッグタルトは地元客にも愛されています。
4. コンフェイタリア・ベルタ (Confeitaria Berta) – ポルトに位置するこの店舗は、リスボンやベレンのエッグタルトとは少し異なる風味を楽しめます。地元の人気店で、地元の特産品を使用したエッグタルトも評判です。

これらの店舗では、伝統的なレシピに基づいたエッグタルトを味わうことができ、ポルトガルの食文化を体験する絶好の機会となります。

⑥ お土産にはおすすめか

ポルトガルのエッグタルトは、その美味しさと人気からお土産としても最適です。特に以下の点に注目して選ぶと良いでしょう。

1. 保存性: エッグタルトは新鮮なうちに食べるのが一番ですが、お土産として持ち帰る場合は、密閉された容器に入れて冷蔵保存すると数日間は美味しさを保ちます。長期保存する場合は冷凍も可能です。
2. パッケージング: お土産用に販売されているエッグタルトは、美しいパッケージで包装されていることが多く、見た目にも華やかです。特にベレン地区の店舗では、伝統的なデザインの包装紙や箱が多いです。
3. 人気の店舗: お土産として購入する際は、前述したような人気の店舗やブランドを選ぶと安心です。品質が保証されており、伝統的な製法で作られたエッグタルトを楽しむことができます。

ポルトガルのエッグタルトは、その独特の味と歴史的な背景から、お土産としても喜ばれること間違いありません。旅先での思い出としても、また自宅で特別な時間を過ごす際にも最適です。